色弱(色覚多様性・色覚異常)って何?どんな特徴がある?
ここでは色弱(しきじゃく)(色覚(しきかく)多様性)とはどういう状態のことを言い、どんな特徴があるかについて説明したいと思います。
色弱(色覚多様性・色覚異常)の人は正常な人たちとは違った色の見え方をする
わたしたちの目には錐体(すいたい)と呼ばれる色を見分ける3つの細胞があります。
色弱(色覚多様性・色覚異常)の人は、この3つの錐体の一部が欠落していたり、感度が低いため、正常な人たちとは違った色の見え方をする人のことを言います。
この記事を書いている管理人であるわたし、ろこも色弱のひとりです。
色弱・色覚多様性・色覚異常の違いは?正式名称は?
色の見え方が人と違う状態であることを調べたり、聞いたりしていると、色々な表現で説明されています。
それぞれの言葉の違いは何なんだ?と思われるかもしれません。
結論から言いますと、色弱、色覚多様性、色覚異常はどれも同じ意味で使われています。
かつては色盲、色弱と呼ばれていた言葉が、差別や誤解を招くおそれがあるため、色覚異常や色覚多様性という表現に変わっただけです。
正式名称が何か、と言われると分野によっても違うため、難しいところもありますが、日本遺伝学会が2017年9月に遺伝学用語を改定した際に「色覚異常」に代わる用語として提唱された『色覚多様性』という言葉が一般的な正式名称と言えるかもしれません。
ただ、個人的には色覚多様性と言われてもいまいちピンとこないことや、今でも色弱という表現が多く用いられていること、私自身が言い慣れていること(笑)を理由に、このサイトでは『色弱(しきじゃく)』と表現させていただきます。
色弱の人の見え方は人によってさまざま
ひとことに色弱といっても、3つの錐体細胞のどの細胞が影響しているかによって、その人の見え方はさまざまです。
赤を判断しにくい人や緑を判断しにくい人など、タイプによって1型3色覚、2型3色覚といった分類に分かれます。
具体的な分類については別の記事で紹介していますので、気になる方はそちらも読んでみてください。
自分もしくはお子さんなどご家族がどの状態であるか詳細に判断するには、精密検査が必要となります。
実はわたし自身も精密検査まではしてもらったことがなく、どの分類に該当するのかは知りません(笑)
わたしの場合の具体的な見え方、感覚
・赤、緑、茶色の区別がつきにくい
・色が薄くなればなるほど、その他の色も含めて判別しにくい
・電光色、特に充電器やスマホみたいに光っている部分が小さいと何色か判断できない
・長年、色弱とともに生きてきたため、もはや分かりにくい色を判別する意識がない(笑)
などなど。
不自由な部分は確かにありますが、特段色弱であることを恨んだことはなく、40年以上生活してきています。
一般検査や精密検査を受けた方がよい?
気になるのであればもやもやするよりも、色弱であるか、色弱ではないかをはっきりとしておいた方が良いでしょう。
あなた、もしくはあなたのお子さんなど家族が色弱であるかどうかは、簡単な検査である程度判断することが出来ます。
代表的な検査は色覚スクリーニング検査と呼ばれるもので石原式色覚検査が有名です。
円形の中に小さな色の粒が敷き詰められており、色の判断が正常であれば中に数字が見える。といったもので、見える数字を答えていくだけの簡単なものです。
私が子供の頃は学校で検査がありましたが、平成 15 年から学校での色覚検査は定期健康診断から削除され、希望者のみの検査となったようです。
一般的な検査はおそらく近くの眼科でも可能だと思いますので、気になる方は一度検査を受けてみることをお勧めします。
ただ、今はスマホのアプリでも簡易なチェックが出来るアプリもありますので、一度参考程度にそちらを試してみるのもよいでしょう。
色弱であった場合、さらに詳細な分類の判断には精密機械を使った検査が必要となります。
個人的には、進学先や就職先などから詳細な分類の診断を求められている等、特別な理由がない限り、今すぐ精密検査までする必要はないと思います。
実際わたしも受けたことはありません。
色弱の場合、就職できない職業はある?
世の中には色で判断するものが多く存在します。
代表的なものは信号ですね。ほかにも身近なものであれば、電化製品の充電状況や稼働状況を色によって知らせるものなどがあります。
職業によってはこれらの判別が必須のものもありますので、やはり就職ができない職業も少なからず存在します。
色弱に制限がある職業の具体例は、警察官、消防官、自衛官、航空管制官、航空乗務員、海技士(航海)、機関部船員、小型船舶操縦士、海上保安官、皇宮護衛官、入国警備官などです。(詳細な最新情報は各職種のHPなどで確認してください)
その他、就職の際に制限は無いものの、色弱である場合、十分な成果を発揮することが困難な職業もあると思います。
主にデザイン系の職業が当てはまると思いますが、やりようによっては仕事をすることも可能です。
実際、わたしは色弱をもっていますが、建築設計事務所で10年ほど勤めていましたが、色弱であるという理由で特定のプロジェクトから外されたり、設計の仕事に限界を感じたことはありませんでした。
色弱は遺伝するの?
自分が色弱であるということは、40年以上生きてきた今となっては、正直あまり気にすることはありません。
ですが、自分のこどもたちが同じように色弱でも良いかと言われれば、当然そんなことはありません。正常と言われる状態であることを望みます。
ただ、残念ながら色弱は遺伝します。少し複雑にはなりますが、色弱の遺伝子は直接、あるいは間接的に必ず引き継がれるのです。
わたしの場合、母親は色弱ではありませんでしたが、色弱の遺伝子を隠し持っていたため、わたしが色弱を遺伝した形になります。母はそのことに申し訳ない気持ちを持っていましたが、実際のところ、確率としてはとても高いことなんです。気にすることはありません。そういうものなんです。事実、わたしは色弱であることを残念に思ったことはありますが、親を恨んだことは一度もありません(笑)
詳しくはまた別の記事で説明したいと思いますが、色弱は遺伝することを理解した上で、こどもや孫のために色弱との付き合いかたを伝授できるよう、むしろ色弱マスターになる工夫をしましょう。
色弱は治るの?色弱と診断され、不安になっているあなたへ
残念ながら色弱を治療し、正常な状態にすることは現時点では出来ないようです。
色弱と診断されたし、ましては治療方法もなく正常になることが出来ないなんて不安しかない!と思われるかもしれません。
でも安心してください。色弱と40年以上付き合ってきた私が断言します。
なんとでもなります!
もちろん程度により千差万別であり、進みたい道に進めない可能性もあります。
不自由な思いをすることや、不便なこともちょいちょいあると思いますが、なんとでもなります。
治療することも出来ず、訓練で改善することも出来ないのであれば、することはひとつです。
色弱とうまく付き合いましょう!
色が判別できないときは、人に頼る、グッズに頼る、スマホに頼る!
それだけで問題なく生活でき、やりたいことをやっていけます。
特に最近はスマホのアプリでとても便利なものが多くあります。色々と試して自分にあうものを探してみましょう。
最後に
今まで書いてきたように、色弱であることに悲観する必要はなく、なんとでもやっていけます。
なんとでもやっていけますが、うまい付き合い方をいちから開拓するのは、非効率ですよね。
わたし自身が経験、実践してきた内容もまた別の記事に書いていきますが、同じような経験をしていらっしゃる方がいましたら、あなたの経験(こんな時に不便だったな)や色弱との付き合い方(こんな便利グッズやアプリがあるよ!)など、よろしければ教えて下さい。
色弱であることに不安を持っている方や、対応方法に困っている方に、より豊富な情報をお届けしたいと思っております。
ぜひご協力ください。
では今回はここまで。
でわ~
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