色弱とひとことに言っても、その人がどの色に弱いのかによって見え方がそれぞれ違います。
ここでは色弱の原理と、それに伴う色弱のタイプ、分類についてお話したいと思います。
色弱の原理・原因
まずは色弱のひとは何故ほかの人と違う見え方をするの?についてお話しします。
3つの錐体細胞(すいたいさいぼう)
わたしたちの目には色を判別する錐体(すいたい)と呼ばれる細胞が3つあります。
3つの錐体細胞はそれぞれ得意分野を持っています。
L錐体(赤が得意)
「L」とはLong-wavelength-sensitive(長波長に感度が高い)から取られた頭文字です。正確には赤が得意と表現することが正解ではないかもしれませんが、分かりやすく「赤が得意」な細胞と表現します。
M錐体(緑が得意)
「M」とはMiddle-wavelength-sensitive(中波長に感度が高い)から取られた頭文字です。
S錐体(青が得意)
「S」とはShort-wavelength-sensitive(短波長に感度が高い)から取られた頭文字です。
これら3つの錐体のうち、1つ以上の錐体が機能していない、あるいは機能が弱い状態である場合、正常な人とは違った色の見え方をすることになります。
色弱の原因
色弱の状態の多くは遺伝により発生する先天性のものです。
遺伝の仕組みはまた別の記事にしたいと思いますが、多くの場合、色弱は遺伝により受け継いだ生まれもっての特徴であり、どうすることも出来ません。もしこの記事を読んでいるあなたが色弱であることが判明した子供の親である場合、子供に対して申し訳ない気持ちになるかもしれません。
でも親であることに負い目や責任を感じる必要はまったくありません。言ってみれば血液型を選べないのと同じなのです。
実際、わたしも色弱ですが、親を恨んだことは一切ありません。安心してください。
色弱のタイプ、分類
錐体が正常に機能しているものを『●』
錐体が機能していないものを『×』
錐体の機能が弱いものを『▲』
と表現した場合の色弱のタイプ、分類は以下のようになります。
正常3色覚
3つの錐体がすべて正常に機能している状態で日本人男性の95%、日本人女性の99.8%の人がこの状態といわれています。
残りの日本人男性の5%(20人に1人)、日本人女性の0.2%(500人に1人)の人が一般的な人たちとは違った色の見え方をしていることになります。
杆体1色覚
わたしたちの目には錐体とよばれる細胞があることをはじめに書きましたが、もうひとつ別の役割をもつ細胞があります。それが杆体(かんたい)と呼ばれる細胞で、暗い場所で能力を発揮します。具体的には明るさの判別(明暗)や物の形を判断します。ただし、色の判別をすることは出来ません。
一方、錐体は明るい場所では色の判別をすることが出来ますが、暗い場所では十分に能力を発揮しません。
杆体1色覚は、杆体は正常に機能しているけど、錐体は3つとも機能していない状態です。
見えている世界はモノクロの状態と言われており、割合としては10~20万人に1人と非常にまれな見え方です。
錐体1色覚
3つの錐体のうち、1つだけが正常に機能している状態です。正常に機能している錐体によって、L錐体1色覚、M錐体1色覚、S錐体1色覚と呼ばれます。割合としても非常にまれな見え方です。
2色覚
3つの錐体のうち、2つの錐体が正常に機能しており、残り1つの錐体が機能していない、あるいはとても感度が低い状態です。機能していない錐体がL錐体(赤)である場合を1型、M錐体(緑)である場合を2型、S錐体(青)である場合を3型と呼びます。
多くは1型か2型の状態であり、3型の割合は非常にまれです。
異常3色覚
3つの錐体のうち、1つだけ機能が弱い状態です。2色覚同様に機能が弱い錐体によって1型~3型に分類されます。
また2色覚同様、多くは1型か2型の状態であり、3型の割合は非常にまれです。
さいごに
今回は色弱に関する原理や原因、タイプ・分類についてお話しました。
ただ、これらの話は一度目を通す程度で構わない気がします。
実際わたしも具体的なタイプで分けるとどのタイプになるのかは、精密検査を受けたことがないため分かりません(笑)
それでも色弱とともに40年以上、過ごしてこれました。
大切なことは、色弱とどう付き合っていくか。です。
色弱とのうまい付き合い方をぜひ見つけていってください。そしてよろしければ、体験談や便利グッズなどがありましたら是非教えて下さい。ぜひ情報共有していきたいと思っています。
それでは今回はここまで。
では~
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