最近では、色弱の人にも配慮した「カラーユニバーサルデザイン」という考え方が少しずつ広がってきました。
色を判別できるアプリなども普及し、昔に比べて暮らしやすくなったと感じる場面も増えています。
ですが、そんな今でも色弱の私が未だにフリーズしてしまう場所があります。
さて、それはどこでしょうか。
正解は――公共のトイレブースの前です。

なぜ今でも私はそこでフリーズしてしまうのか。
今回はその理由について、当事者の視点から詳しくお話ししたいと思います。
トイレブースの鍵(表示錠)の色
「赤」と「緑」が、色弱には難しい
少し前まで、トイレブースの空き状況を示す表示錠は
- 空き:緑
- 使用中:赤
という色分けが主流でした。
しかし、この「赤と緑」という組み合わせは、色弱の人にとって判別が難しいことが多いのです。
色弱にもさまざまなタイプがありますが、特に赤と緑の区別がつきにくい方は多いと言われています。
実際、私も赤と緑の見分けが大の苦手です。

最近「青」が増えてきたのは嬉しい変化
そんな背景もあり、最近ではカラーユニバーサルデザインへの配慮として
- 空き:青
- 使用中:赤
という表示に変わってきている場所が増えました。

これは私にとって本当にありがたい変化でした。
青なら赤と明確に違いを判別でき、安心して「空いている」と判断できるからです。
公共施設や新築の建物では、この「青表示」を採用する流れが確かに進んでいるように感じます。
メーカーのカタログなどでも、大型表示や青色の採用が推奨されていることもあります。
赤と青なら、たとえ色の見え方が違っても明度差がはっきりするため、より多くの人が判別しやすい。
これはカラーユニバーサルデザインの基本でもあります。
判別できない私が取ってきた「苦肉の策」
では、赤と緑が主流だった頃、私はどうしていたのか。
実は、かなり怪しい行動を取らざるを得ませんでした。
- 人の気配(音や中のライト)を必死に探る
- 扉の隙間から鍵がかかっているか凝視する
- とりあえずノックする
- 気づかなかったフリをして、ガチャっと開けようとしてみる
文字にすると、明らかに不審者ですよね(笑)。

でも、これは決して大袈裟ではなく、当事者が真剣に、そして切実にやってきたことなのです。
表示が出ているのにノックをするのは変だし、
いきなり扉を開けようとすれば、中にいる人は驚きます。
「表示を見ろよ!」と思われるでしょう。
でも、見分けがつかない以上、最終手段はそれしかない……。
そんな申し訳なさと焦りを感じながら、いつもトイレを利用していました。
だからこそ、赤と青の表示が増えてきたのはとても嬉しい進化でした。
それでも私は、まだトイレ前でフリーズする
なぜフリーズするのか
最近はメーカーのカタログでも「大型表示」や「青色採用」が推奨されており、
環境は確実に良くなっています。
ここまで聞くと、「じゃあもう困らないのでは?」と思うかもしれません。
確かに、青表示のときは安心して扉を開けられます。
問題は――表示が赤のときです。
もし世の中のトイレブースがすべて「赤と青」に統一されていれば、私の悩みはかなり解決します。
ですが現実には、いまだに「赤と緑」の表示錠が残っている場所はたくさんあります。
そして私たちは、そのトイレが
- 赤と青のタイプなのか
- 赤と緑のタイプなのか
を、初見では判断できません。
その結果どうなるか。
表示が赤だったとき、私はそれが
- 「使用中」を示す赤なのか
- 「空き」を示す緑なのか
を決断できず、結局フリーズしてしまうのです。
私にとって、赤は緑に見えているわけでも、その逆でもありません。
言うなれば、どちらも同じような「赤緑色」に見えています。
(この『色の見え方』の感覚については、こちらの[色弱は「赤が緑に見える」わけじゃない]という記事で解説しています)
だから、緑表示が残っている限り、赤表示は私にとって「二択のまま」なのです。
トイレという場所は、アプリも使いにくい
最近は色を判別してくれるアプリがあり、私も普段からとても活用しています。
(アプリについては、こちらの[私が実際に使っている色弱におすすめの補助アプリ|困る3つの場面別に紹介]の記事で詳しく紹介しています)
本当に便利で助けられています。
ですが、このトイレの状況ではアプリも簡単には使えません。
だってトイレの前でスマホを取り出して、トイレブースに向けるって…。
それ、どう見ても怪しいですよね(笑)
場合によっては、今までの強行策以上に不審者です。
下手をしたら捕まるかもしれません。
つまり、トイレという場所は「色弱を補助する手段」が使いづらい、特殊な環境なのです。
理想は「色以外の情報」が追加されること
色だけでは判別が難しい
色の判別が難しい以上、色だけに頼らない工夫が必要だと私は感じています。
たとえば、
- 「使用中」「空き」など文字表示を併用する
- 〇や×などの記号を併用する
- レバーの向きなど、形状で判別できるようにする
こういった要素が追加されるだけで、安心感は大きく変わります。
色だけではなく、文字・記号・形状など複数の情報があることで、誰にとっても判断しやすいトイレになります。

トイレ以外でも、同じ問題は起きている
今回はトイレブースの話をしましたが、これはトイレだけの問題ではありません。
世の中には、色だけで状態を示しているものがまだまだ多く存在します。
だからこそ、色だけに頼らず、記号や文字、形状など複数の識別情報を組み合わせる工夫は、もっと広がってほしいと思います。
最後に
今回は、トイレの表示錠という小さな「色」の話をしてみました。
大人なら何とか対応できるかもしれません。
でも子どもなら、同じ状況で困ってしまうこともあるはずです。
しかもトイレは、ある意味で緊急性を要する場所でもあります(笑)
だからこそ、より早い段階での改善が進むことを期待しています。

今回はここまで。
では~


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